動脈硬化対策は高カロリーな食品を食べないというものがあります。
しかし、カロリーばかりを気にしていると知らず知らずに動脈硬化の原因を取り込んでいる可能性もあるのです。
今回はダイエットドリンクなど清涼飲料水に含まれるある成分が、動脈硬化を加速させる危険性があるので紹介します。
このテーマについては過去にNHKの「ためしてガッテン」で紹介されました。
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動脈硬化は中性脂肪とコレステロール
動脈硬化については当サイトでも過去に何度か紹介したことがあるかと思います。
血液を運ぶ重要な血管である動脈がプラークなどの蓄積により徐々に硬くなってしなやかさを失うものです。
動脈硬化は病気の前兆であり、症状が悪化していくと脳梗塞などの危険性も出てくるのです。
食事による対策方法は中性脂肪やコレステロールの蓄積を抑えることがあげられます。
コレステロールについては下記の記事を参考に。
今回は中性脂肪に注目していきます。
ドリンクに含まれるある成分
中性脂肪という名前を聞くと脂っこうものを食べると蓄積すると思われるのではないでしょうか?
それも正解と言えます。
高カロリーの食事を続ければ中性脂肪が蓄積していきますからね。
それだけでなく、ダイエットドリンクなどに含まれているある成分が中性脂肪と深く関係しているようです。
そのある成分と言うのが「果糖」になります。
果糖は名前の通り果物の甘味であり天然の甘味料。
そのため健康に良さそうなイメージを持たれますが、実は過剰摂取すると落とし穴があるのです。
果糖の過剰摂取は中性脂肪の上昇に繋がることがわかってきました。
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果糖はカロリーが低く甘味が強い
果糖はカロリーが低く甘味が強い特徴があります。
そのためダイエット飲料などの甘味付で活用されることも多いです。
糖類には運動時に消費されるブドウ糖とこれまで紹介してきた果糖に分けられるとのこと。
あとで紹介しますが食品の甘味付は基本的にブドウ糖と果糖を組み合わせて行うようです。
ブドウ糖に関してはこれまでも紹介してきた通り、血液中に含まれており運動などをすると消費されていきます。
摂取したブドウ糖は肝臓に入りコントロールされるものですね。
果糖はブドウ糖のように直接エネルギーとして活用することができないので肝臓で変換する必要があります。
果糖の特徴はカロリーが低いことでしたよね?
果糖からブドウ糖になるのは10%程度で残りは他の物質になると言われています。
その中で多いのが中性脂肪です。
この中性脂肪が肝臓に蓄積されて脂肪肝に直結していることも指摘されています。
カロリーだけを見ると低いのでダイエットによさそうですが、裏側では中性脂肪を増やすと言うおかしなことが起こっているわけです。
ダイエットでゼロカロリーのスポーツドリンクなどを大量に摂取していると中性脂肪の増加に加えて動脈硬化のリスクも増えてきます。
ためしてガッテンではラットに次のエサを4週間与えた比較実験を紹介。
- ブドウ糖のエサ
- 果糖のエサ
各4週間与え比較したところ血液中の中性脂肪は4倍の開きが出たようです。
果糖の過剰摂取が中性脂肪の増加の原因になることは動物実験からも分かっています。
さらに、果糖は満腹感を感じさせないため食べ過ぎになることもあるようです。
中性脂肪を増やす悪循環を生み出す危険性もあるといえるでしょう。
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果糖の含有量を見る
果糖の過剰摂取を防ぐには食品の成分表示を見るしかないでしょう。
ここでは成分表示の見方を紹介します。
世間で一般的に言われる砂糖はブドウ糖と果糖を組み合わせたものだそうです。
例外はありますが基本的に食品の甘味はブドウ糖と果糖の組み合わせでできていると言えるでしょう。
成分表を見るときはブドウ糖に対して果糖がどれほど含まれているかがポイント。
ドリンクの場合の成分表示は次のようになっています。
- ぶどう糖果糖液糖(50%未満)
- 果糖ぶどう糖液糖(50~90%)
- 高果糖液糖(90%以上)
カッコ書きで果糖の含有率も入れました。
砂糖はブドウ糖と果糖の組み合わせですから、ブドウ糖が多ければ果糖が少なくなります。
カロリーで見るならブドウ糖が50%以上で構成される「ぶどう糖果糖液糖」が一番高いことになるでしょう。
分かりにくいかもしれませんので、実際の商品を例にしてみます。
画像はアクエリアスとアクエリアスゼロの比較です。
アクエリアスは「果糖ぶどう糖液糖」なので果糖の含有率が50~90%、
アクエリアスのダイエット板であるアクエリアスゼロ。
こちらはローカロリーが売りのアクエリアスですが成分表は…
アクエリアスゼロは「果糖」となっています。
「高果糖液糖」は液体製品に対して付けるもので「果糖」と同じのようです。
(表示は工場や地域によって変わるみたいです)
アクエリアスゼロは果糖の含有率が90%以上であることが分かるかと思います。
果糖で見ると中性脂肪がつきやすいのはアクエリアスゼロの方です。
ちなみに、果糖はブドウ糖の2倍の甘さを持っているとされています。
少量でも強い甘みが出せるのでろカロリーにできるのです。
カロリーが低いのに近い味を出せるのは果糖のおかげと言えるでしょう。
カロリーを控えれば中性脂肪が増えないわけではない
今回はドリンク類が動脈硬化に影響するかというテーマで紹介してきました。
清涼飲料水を飲む機会は多いかと思いますし、ダイエットをするためにスポーツドリンクをたくさん飲む人もいるかもしれません。
そうなると気になるのはカロリーですね。
ダイエットをしているならカロリーが低い方が良いと考えるのは普通です。
しかし、これまで紹介してきたようにゼロカロリーのドリンクであっても味付けが果糖でされている場合は中性脂肪を増やして動脈硬化のリスクを高めると考えても良いかもしれません。
高カロリーの食事を避けてカロリーを控える食事になると、低カロリーのドリンクに手を出しがちですが注意しないといけないかもしれません。
ここまで触れてきませんでしたが、果糖は果物の食べ過ぎによる過剰摂取も懸念されます。
天然だからなんでも良いと言うわけではありません。
果汁100%ドリンクの飲み過ぎなども注意が必要でしょう。
糖尿病患者にはありがたい果糖
余談的な話になりますが、果糖は糖尿病患者にはありがたい甘味料と言えます。
糖尿病は脾臓から出るインスリンの障害で起こる病気です。
ブドウ糖はインスリンによって脂肪内に蓄積されるもので、正常に働かないと血糖値の上昇につながるのです。
血液中のブドウ糖が過剰な状態ですから、喉の渇きの症状も出ます。
果糖の場合は血糖値上昇させないのでインスリンが必要でなく、糖尿病患者はブドウ糖ではなく果糖を多く含んだものを飲み食いするように指導されるようです。