冷え性対策というと「生姜は温め効果があるから食べましょう」とかそいう外部の力を使って温めることを考えるかもしれません。
もし、熱を作る力が元々弱い人であったらどうでしょうか?
いくら生姜を食べたとしても熱を作る力が弱いのですから効果があまり期待できなくなります。
冷え性対策を根本的に改善していくには熱を作る力をつけていかなくてはいけないのです。
生命維持活動のエネルギー消費である基礎代謝を上げること。
もちろんそれだけでは不十分ですが、最低でも熱を作る力がなくては冷え性改善は見込めません。
いつまでも体を外部から温め続けるしかなくなります。
それではどのように熱を作る力をつけていくのか?
熱が作れない原因は内臓と筋肉の2つにあります。
内臓と筋肉の働きを活発にすることで解決できるのです。
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熱を作る力は生命力の源である腎
東洋医学において生命力と冷え性は結びつけて考えることが多いです。
私の所持している冷え性の書籍には腎臓機能を活発にすることで解決すると記しているものが複数あります。
腎臓は東洋医学で「腎」にあたるものです。
腎臓の機能についてはこちらの記事も参考に。
老廃物で汚れた血液をろ過してキレイな血液と尿に分離するのが腎臓の主な役割です。
排泄の最も重要な役割をしているわけです。
腎臓が機能しなくなれば動物は生きていけません。
栄養は点滴からでも摂取できますので胃腸が機能しなくても生命は維持できます。
しかし、血液をろ過する機能がなくなれば体はどんどん腐食していきます。
人工透析が必須をしなければ死へまっしぐらです。
栄養を摂取することが生命維持に重要なのは事実ですが、それよりも大切なのは排泄機能です。
排泄機能が正常であれば血液も正常であり他の臓器も活発に活動ができます。
「腎」こそが生命力の源となるのです。
内臓の働きが冷え性対策で必要になる理由は「基礎代謝」が関係しています。
以下の記事を参考にしてみてください。
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体温を上昇させる熱を作る脾も必要
先に冷え性対策における腎臓の重要性を紹介しました。
腎臓が健康であれば血液の鮮度を保つことができ他の臓器も活発に活動ができます。
腎臓は生命力そのものと言っても良いでしょう。
排泄を担う腎臓も重要ですが、内臓を動かすためにはエネルギーが必要になるのも事実です。
そのエネルギー確保をになるのが東洋医学でいう「脾」になります。
冷え性対策において「脾」は「腎」の補助輪的な役割をします。
「脾」とは飲食物の消化・吸収を担う臓器です。
具体的に言うと胃や腸になります。
胃腸の働きもまた冷え性対策で必要になってくるのです。
空腹を感じると胃が「ぐ~」と鳴りますよね。
あの音は胃の伸縮が活発に動いているから起こるそうです。
胃が運動をしているわけですね。
運動をしているわけですから熱を作り出しています。
ゴボウ博士こと南雲吉則先生は1日1食健康法を実践されています。
限界まで空腹状態にしてようやく食事をするというものです。
空腹は胃が「消化するぞ!」と準備万全で食べ物を待ち受けている状態ですから活発に消化してくれます。
食事をした後は体温が上がります。
これは消化器官が活発に働いて熱を作り出しているからです。
もちろん胃腸が働いているだけでは体温は上昇しません。
これは「熱を運ぶ」にも関係してくる部分です。
食べたものを消化器官で消化して血液を一緒に体中に送り届けると同時に熱も運んでいきます。
温められた血液が体中に送り届けられて体温が維持されるのです。
血液は消化器官である胃腸にも流れていますから温められるのです。
食後活発に働くの胃腸ですから胃腸の働きによる熱で体温が上昇していると見てよいでしょう。
食事というのは体温を上げるほどの熱エネルギーを発生させるのです。
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最大の基礎代謝量である肝臓へ繋げる
食べ物を食べて胃腸が働き栄養を吸収すると血液によって運ばれる場所が肝臓です。
東洋医学で肝臓は「肝」に分類されており、めぐりを調整する機能とされています。
肝臓は体内の工場と倉庫の機能を持っており、栄養が不足すれば蓄積したものを血液中へ流し、過剰になれば肝臓内に蓄積します。
このように血液を調節する機能を持っているのです。
栄養を分解する工場としての役割も同時に持っており健康的な血液は肝臓が握っていると言っても過言ではありません。
これだけ多機能な肝臓なので内臓では最大の臓器とされており発熱量も大きく、体温の10%に影響するとも言われています。
(肺や腎臓は片方を1つとした場合)
基礎代謝量は最大と言えるでしょう。
ただし、肝臓が働くには「脾」が活発でなくれはいけません。
食べ物の栄養が吸収されなければ働きませんからね。
肝臓を働かせて熱を作ってもらうためにも「脾」の機能は重要です。
肝臓が悪いと熱を運ぶ機能に障害がでる冷えのぼせになる可能性が指摘されていますね。
少食の人は注意が必要
生命活動力が弱い人は内臓の動きが活発ではないので、熱を作る機能が弱い傾向にあります。
小食の人は生命活動が弱い人と位置づけることができるそうです。
消化器官の働きが弱いので満腹になるのが早くなります。
原因である内蔵を活発に働くようにしていくことで冷え性対策になるのです。
ではどのように活発にしていけばよいかですが、仙頭正四郎先生は空腹になるまで食べないことを推奨しています。
空腹感のないときの食事は内臓機能の低下につながるので食欲のあるときにとるのが一番良いとしています。
食事をすることで消化器官が活発に働くため熱を作る力は出ますが、空腹でない状態では逆効果になります。
少食の自覚のある人は注意が必要です。
「腎」の対策をする前に「脾」の対策
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仙頭正四郎先生の著書『冷え症 (健康双書 家庭でできる漢方 1)』では生命力ついて次のように区分しています
- 先天的な生命力を貯える「腎」
- 後天的に生命力を補充する「脾」
「腎」は生まれ持った生命力であり、「脾」は栄養補給のことですから生命維持活動において取り込まれる生命力としています。
生まれながらにして腎臓が弱い人は、もともと腎臓機能が弱いのですから体質的に冷え性になりやすいです。
それは先天的ですからしかたがありません。
腎臓の機能は失われると回復は不可能とされています。
先天的に弱い場合は、それ以上になることはないのです。
しかし、健康な状態で生まれたのであれば後天的の「脾」が問題で冷え性になっている可能性が高いです。
「脾」は栄養摂取と密接に関係していますから、栄養バランスの悪い食生活を続ければ「腎」も弱っていきます。
不養生な生活をしていて「腎」が弱った状態でも機能が失われていなければ回復は可能とされています。
腎機能の回復には温めることが良いとされていますが、食生活が乱れていてはいくら温めても意味がないでしょう。
健康的な食生活をすることと温めることをセットで実践しなくてはいけません。
「腎」の対策よりも「脾」の対策からはじめていくのが望ましい順番となるのです。
内蔵の働きは温め効果がある
ここまで内蔵の働きを活発にすることで冷え性対策ができることを紹介していきました。
冷え性対策は将来的に健康な生活をすることまで考えて実践していかなくてはいけません。
とは言うものの、私もこの話を聞いただけでは納得出来ない部分がありました。
内臓の活動を活発にして本当に冷え性改善になるのかと。
これについては実体験を通して実感するしかありません。
私は内臓の動きが活発になると冷えの症状がでなくなったことがあるので紹介しておきます。
私は末端部分が冷える末端冷え性で手や足が冷たい状態が続いています。
冷え性なので寝付きは悪い方で、布団に入ってボーっとしていると過去の恥ずかしい出来事がふと脳裏をよぎることがあります。
思い出したくない過去を思い出すと心臓がバクバクして血の巡りがとても良くなります。
頭に血が上るような感覚になりますね。
そうなるとたいてい冷えていた手足がウソのように温まります。
内臓の動きが活発になると末端部分の冷えがなくなります。
この体験をしてから冷え性を改善するには内臓の動きがポイントがあると考えるようになりました。
筋肉の動きが冷え性改善になる
ここまで内臓の働きに注目した熱を作る冷え性対策を紹介していきました。
健康的な生活をして「腎」や「脾」の機能を高めておけば冷え性対策になります。
熱を作る対策は内蔵の働きだけではありません。
内蔵以外の熱を作る方法は運動です。
運動をすれば体が熱くなるので熱が作られていることはお分かりですよね。
筋肉には糖や脂肪を燃焼しエネルギーに変えて動きます。
筋肉を定期的に動かすだけでも冷え性対策になるのです。
有酸素運動が冷え性対策になる理由は下記の記事を参考に。
ジョギングやランニングは時間を確保して実践する必要があるので難しい人も多いかと思います。
そうであれば、私生活でできるだけ運動の機会を作ることです。
毎朝エレベーターやエスカレーターを使っているのであれば階段をつかうようにするなど少しの意識で冷え性対策はできます。
これだけでも毎日続けることで違いが出てきます。
血糖値が気になる人は軽めの運動をすることで血液中のブドウ糖が消費されて血糖値を下げます。
健康を考えても適度な運動は欠かせません。
熱を作ることで冷え性対策
冷え性というと温めるとか熱を逃がさないようにする対策ばかりに目が行きますが、熱を自分で作り出せるようにしなくては根本的な解決になりません。
冷え性を根本から変えていくには熱を作り出せる環境が整っているかです。
原因の1つ目は内臓の動きは活発であるか、2つ目は運動が十分できているか。
この体で熱を作るのはこの2つしかありませんから、冷え性対策を考えるなら内臓を健康に保ち定期的な運動をする。
熱を作りだすことができれば、あとは熱を運ぶ対策をするだけで良いです。
仙頭正四郎先生は熱を作る具体的な対策として次のように紹介しています。
- 食欲のないときは無理に食べないようにして、空腹感を大切にする。
- 体を使う機会を増やす。
- 疲労時は十分睡眠をとる。
- ワクワク気分で過ごす時間を多くする。
- 感動のある生活ができるように工夫する。
無理をせずしっかりと休息をとる。
そして適度な運動と健康的な生活をするということですね。
冷え性対策というより健康的な生活をしましょうになります。
熱を運ぶ対策も見てみるなら